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ウルフの経営 先鋭者インタビュー 原薫氏 vol.2

柳沢林業の原代表を訪ねる、ウルフの経営・先鋭者インタビュー。前回のインタビューに引き続き第2弾では、「サービスを提供する上で大切にしていること」「地域企業が掲げる経営理念」「自社の事業から始まった地域への波及効果」この3つについてお話をお聞きしました。

 

株式会社柳沢林業 代表取締役。社員の可能性を引き出すことが、山の可能性につながると信じて事業展開を探る。(一社)ソマミチ代表。木を使う社会の仕組みづくりを通した、個人の自立、地域の自立を目指して活動中。

 

企業として、サービスを提供する上で大切にしていることは何ですか?

原代表:

これまでは素材生産業者として伐採業務が中心ではありましたが、だからこそ、今後の林業の目指すべき方向を考えたとき、「社員の能力は、木を伐ることだけに留まらない」ことを忘れないよう意識しております。私自身が山に惹きこまれるようになったのも、樹や植物の活かし方を知るところから始まりました。

懐深いはずの「山」は、木材生産の他にも無限の可能性があると信じております。そして同じく社員にも、木の伐採の他にも、あらゆる能力を持ち合わせている可能性がありますよね。そんな社員の可能性を引き出すことは、自ずと山全体を活かすような事業展開とつながっていく、そう考えているわけです。例えば、花き市場で働いた経験のある社員が入ってきたことで、建築用材にはならないような”枝物”と呼ばれる灌木類にも価値を見つけられました。自分達の可能性を見出し高めることで、ライバルを蹴落とす競争ではなく、オンリーワンな会社になりたいです。

 

柳沢林業と言えば、「それは、山の神に選ばれしモノであること。」と、ホームページに掲載されている原代表のメッセージが人々の心を掴んでいます。柳沢会長や原代表の言葉を「企業の理念」として発信するようになって、どんな影響がありましたか?

原代表:

代表の立場になるまでは経営者視点を持ったことがなかったので、企業理念を掲げるようになった前後を明確に比べるのも難しいですね。ただ確かなことは、理念に共感する人が集まって、社員が増えたことです。今は採用の問合せをいただいても断っているような申し訳ない状況で、早く仕事量を増やせるようになればと願っています。

あとは、社員の主体性が目に見えるようになったことも変化ですね。理念を掲げて、一緒にどの方向を目指すか掲げたことによって、各々がやりたいこと、すべきことが明確になっていったのかもしれません。理念だけでなく、安全指針や業務オペレーションに関しても、研修を重ねながら社員と共に改善をしていきました。林業は何よりも安全が第一。仕事だけでなく、心身共に安定していなければならず、仕事だけではなく家庭も大事にするような ライフスタイルを求めている社員が集まっているので、勤務形態は週休2日・月給制。仕事と休みのメリハリをつけて、集中して働くスタッフが集まっています。

 

自社の事業から始まった、地域への波及効果はありましたか?

原代表:

これは自社の事業ではありませんが、地域材であるカラマツを活かすことをテーマに集まったメンバーと共に「ソマミチ」の活動にも携わっています。”ソマのミチから始める暮らし”をキャッチフレーズに、ソマミチという名前は、「杣の道」から来ています。

林業、製材、家具木工、建築と川上~川下のプレーヤーが集って始めた活動は、昨年2017年に一般社団法人となりました。柳沢林業から派生したこのような活動がこれから、地域への波及効果を生み出していくと信じています。最近は、ソマミチに期待されている部分の大きさを感じるようにもなりました。

最初は辛口な意見もあったと思いますが、先に活動記事が新聞に出ちゃったり、法人化していったりしたこともあって、「お、これは何かやってくれるかも?」と少しずつみられる目が変わってきているようにも思いますね。波及効果を持つのはこれから、というところです。

 

「ソマミチの活動は、まだまだこれから」と話す原さんですが、既に地域内外から期待を集めています。都会から松本へ移住したIターン組であり、森の仕事に携わる女性でもある原代表には、何かと講演の登壇や視察依頼も多い日々。

「なるべく田舎で暮らしたい。実家があるので都会(神奈川)にも戻りますが、都会に行きたい!とかは特に思わないですね」と話す原代表ですが、東京でのフォーラム(5/18)でも登壇いただけることになりました。

そんな原代表が、視察を受け入れたり人前に立ってお話される理由は何ですか?

次回のインタビューで引き続きお話を伺いたいと思います。


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